畑の野菜や田んぼの様子、そして実習からは「さつまいもの植付け」「苗代の手入れ」を詳しくお届けします。
畑ではまず、ゆっくりと野菜たちを見て回りました。
4月末に植えた里芋が、発芽していました。生姜はまだのようです。
4月中旬にまいた自家採種2年目のきゅうりの種は、勢いよく芽を出しています。自然農の畑で自家採種を繰り返すほど、丈夫な野菜になる気がします。これからの成長を見守りたいですね。
同じく4月中旬〜月末にかけて移植した長ネギ。
すっかり新しい芽を出して大きくなってきました。
レタスは苗を移植したときのサイズのまま、ここ1ヶ月くらい大きくなっていないのが気にかかります。もともとが別の畑(管理人の庭)にぎゅうぎゅうに芽生えたレタスを、間引く意味でこちらに試しに植えてみたものです。もとの畑では旺盛に育っているのに、環境の違いか、移植の負担があったのか・・・。
麦はそろそろ収穫の時。
雨上がりでなく、晴れの続いた後、スズメに食べられる前に刈りましょう。
昨年の農地返還で、プレーヤーのみなさんで引っ越し作業をしたいちご。
なんとか実りを見せてくれてほっとしました。
味が濃く、香り高く、甘くて酸っぱくて・・・美味しかったですね〜〜!!
自然農のいちごの味わいには毎年感動させられます。
夏の枝豆用として早めに蒔いてみた大豆も、大きく育ってきました。
キジよけネットはもう不要なので外し、周囲を草刈り。
急に畝の草を全て刈ってしまうと虫たちが棲みかをなくし、微生物のバランスも崩れるため、今回は外側の草を刈りました。
夜明けには毎日たっぷりと夜露に濡れている自然農の雑草たち。
日常的な水やりが不要なのもうなずけます。
湿度の高いこの日は、10時頃までたっぷりと潤っていました。
歩くだけでズボンがぐっしょり濡れるほどでしたね。
●さつまいもの植付け(つくし農園の場合)
つくし農園の土がまだまだ豊かになる途上にあるということなのか、さつまいもは例年、“自然農的な”植え方をしてもなかなか収穫は芳しくなく、小さな芋がころりころり。
昨年の実習畑で比較実験として「耕さない畝」「耕した畝」のそれぞれにさつまいもを植え、収穫を比べてみた結果、収量・サイズともに「耕した畝」に軍配があがったため、さつまいもに関しては、数年は畝を耕してあげるほうが収量がよいのでは、という結論に達しました。
草に覆われたこの畝をさつまいも畑にする予定。
さつまいもの苗はホームセンターで買ってきました。
普通の芋と安納芋とでは値段が倍近く違いました。
まず、ノコギリ鎌で畝の地表が出るくらいまで草を刈り、それから耕します。
ここでは備中鍬(三本鍬)を使いました。自然農で普段用いる鍬は耕す作業よりも、均す、鎮圧するなどに向いていますが、土を起す際や芋の収穫などは備中鍬も重宝します。
手で土をほぐします。土というか、根っこというか・・・。
半分以上は草の根っこのようです。
畝の土が整ったら、耕したエリアの目印として大きく竹を挿し、刈った草を土の上へ均等に戻します。これで畝の用意ができました。
いよいよ苗の植付けです。さつまいもの苗はこのようになっており、茎の先端にはあちこちに根っこが出始めているのがわかります。
植え方は、地面に対して横に挿す、縦に挿す、斜めに挿す、などがあります。土中に接する根っこ部分の数で、成長する芋の数が変わってきます。横に挿せばその分、土中の根が増え、縦では少なくなります。芋の数が多いと、芋自体の大きさは小さく、数が少ないと、芋一個の大きさが大きくなる傾向があるのだそう。
つくし農園の畑では、芋の大きさはなかなか大きくなりませんので、芋の数を少なく、大きさを選ぶのが向いているとのことでした。そのため実習では、芋の苗を縦に植えることにしました。
かけた草をかき分け、土に植え穴をあけて、苗を立てかけて土を寄せます。この日は雨上がりなので補水は不要でした。晴れ続きの場合は根の活着を促す意味で、植付け前後に水をあげるといいそうです。
これでさつまいもの植付けは終了!
秋の収穫が楽しみです。
こちらは5月中旬に移植したかぼちゃの苗。大きくなってないですね・・・。
月の満ち欠け理論では、適していない時期に移植したのが良くなかったかもしれない、とも考えられます。移植には満月後の半月〜新月にかけての時期が適期といいますから、5月末から6月初旬までに移植した苗ならどうなるのか、今後観察していきたいです。
4〜5月にかけては、にんにくの芽が旺盛に伸びてきますが、地中のにんにくを太らせたいので芽は付け根から収穫します。柔らかいところは炒め物に、硬い茎は醤油漬けにすると美味しいですよ。
にんにくの葉は、そろそろ枯れてくる頃。完全に地上部が枯れてしまうと、枯れ草と区別がつかなくなるので、茎が立っていて見分けがつくうちに、地中のにんにくを収穫したほうがいいとのことでした。
空豆、今年はよく育ちました!冬越しをするため、冷たい筑波颪(つくばおろし)が直接吹き付ける場所ではなかなかうまく育たない年もあったのですが、今年は森の近くに植えたので、風除け効果が高かったのかもしれません。
収穫は、角度が下を向いた頃、または赤い斑点が出はじめた頃。
莢の1つ1つを見ながら収穫します。
特に見事な株は種取り用として株全体に目印をつけ、来年の種にします。
お隣でグリーンピースもよく育っていました。
ぐるりとあちこちの畑を見て回ったあと、森に実っていた桑の実をみんなで食べました。毎年この時期だけのお楽しみ。美味しかったですね〜。
共同作業をやるには人数が少なすぎて、今回もバイオトイレ断念。
人が多く揃う日を待ち続けています。
昼の休憩を挟んで、午後は田んぼです。
●苗代の手入れ
苗代では、苗も雑草もぐんぐん育ってきています。放っておくと雑草に稲が負けたり、田植えで難儀したりするので、定期的にハサミを使って雑草管理をします。
自然農の苗代では、雑草を根もと近くからハサミで切ります。抜こうとすると土の中で稲の根まで傷めてしまうからです。明らかにお米ではない、丸い葉っぱなどは簡単に見分けがつきますが、同じイネ科のヒエは、特に紛らわしいので注意が必要です。
根もと近くが赤いのが雑草のヒエですが、古代米の黒米・赤米も根もと付近は赤いので、小さいうちはイネ科の雑草はとりあえずそっとしておくのも手です。大きくなってくると節のところに白い半透明のヒゲのようなものがあるのが稲、ないのがヒエ、と若干見分けがつきやすくなります。
ハサミの扱いも注意が要ります。雑草を目指して刃を開いた状態で切りに行くと、その手前にある稲も一緒に切ってしまいがち。苗代では常にハサミは閉じた状態で雑草に向かい、刃先が狙った雑草1本に接した状態で初めてハサミを小さく開き、雑草だけを切ります。
草管理をしていたら、オケラ被害を実感したので、ちょっと詳しく見てみましょう。つぶらな瞳、モグラのような前足でとても愛らしいオケラですが、苗代の種籾が大好物。モグラのように地中を掘り進んで、種籾はもちろんのこと、発芽後でもまだ実のつまっている種籾も食いちぎってしまいます。
鳥除けネットでスズメ被害はなかったものの、プレーヤーさんによってはオケラでほぼ全滅という苗代も。それに対して例えばMさんは、上から大量の水をかけて土ごと鎮圧する、種籾をまき直す、などの手を打っておられましたが、今年は再びオケラに入られたそうです。
そして、種籾を食べられないくらいに苗が大きく育った状態でも、オケラの被害が出ることもわかってきました。こちらは前回の共同作業日に、オケラが入って浮き上がった土を念入りに押さえた苗代。稲の根がしっかりと土についているので、青々と茂っています。
こちらは、生育旺盛だったはずの古代米の苗代。土の鎮圧は特に行っていませんでした。オケラが縦横無尽に掘り起こして浮き上がった土、晴れが長く続いたことなどによって稲の根が水分不足を起こし、葉先が枯れています。
苗代の土をよくよく見ると、どこもかしこもふわふわと盛り上がっていました。
指先で土を押してみると・・・ズボッと指が入ってしまうほど、土が浮いていることがわかります。
稲の根を傷めないよう、根もとを優しく複数の指を使って押さえていきました。大雨が降れば水によって自然と土が鎮圧されるかもしれませんが、天まかせで枯れても悔やまれますので、念入りに苗代の土を押さえました。
苗代はこういう状態ですが、一方で区画はというと、そろそろ草刈りの時期です。田植えより前に地ぎわから草刈りをしておくと、田植えの時期の負担がぐっと減ります。これは作業効率や疲れの点で本当に大きな差が出ますので、本格的な田植えシーズンの前に、一度草刈りにいらしてくださいね。
田んぼの共同作業は境界地の草刈りをしました。複数の地主さんが隣接するような土地ですので、除草剤をかけられてしまう前に、定期的に草刈りをしていきたいものです。
参加されたみなさん、お疲れ様でした!
次回の共同作業日は6月11日(土)です。ご参加お待ちしております。
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