2016年03月06日

境界地の管理/田んぼの苗代準備2 ─2月共同作業日【雨水】の様子

こんにちは、雑草屋の嫁です。2月27日(土)に行われた共同作業日の様子をご報告します。今回詳しくご紹介するのは「境界地の管理」、「田んぼの苗代準備2」です。
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2月23日に満月を迎えたのち、月が欠けてゆくにつれて土中の水分がどんどん下がってゆくこの時期。月の満ち欠けを意識しての農作業をするならば、地面より下方に育つ根菜類の種まきや植え替えに適しているということで、じゃがいも・アピオスの植え付けを行いました。
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じゃがいもは正確には根っこではなく肥大した茎の塊ですが、地中に育つという意味でここでは根菜扱いとなります。

こちらは秋じゃがいもを収穫後、放置してしまいすっかり芽が伸びきったじゃがいも。植えつければ復活するそうですが、果たして・・・?
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つくし農園でよく育つ品種は「きたあかり」と「アンデスレッド」の2つ(次回の共同作業日にて種芋の共同購入のご案内をします)。よく見かける「男爵」「メークイン」などはここではあまり育ちません。「インカ」とつく品種も生命力が強そうな名前ですが、実際は改良品種のためつくし農園ではほぼ育ちませんでした。

じゃがいもに限らず、野菜は全般に自然農に向く品種、向かない品種があるようなので、みなさん本などで調べて試してみてくださいね。

続いて北米原産のアピオス、これも根菜なので植えつけを行いました。実習畑で繁殖しすぎたものを掘り出します。
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アピオスは強靭な生命力を持つため、雑草に負けるということがありません。地中に生えるので、芝畑との境界地に植えてみることにしました。花壇の裏側です。
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ここはかつては隣接地から除草剤をかけられやすく、つい放置しがちなエリアでしたが、ネット張りや花壇によって除草剤がかかることもなくなったため、まずは地中に育つ作物を、という考えだそうです。

実習畑を見て回ると、白菜は、結球には至らないまま菜の花をつけ始めていました。
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世の中ではいちごが盛りですが、露地ではまだ、やっと寒さから復活したばかり。
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柔らかな春の草がどんどん出てきました。こういう草が増えてくると畑の状態が良いという目安だそうです。
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●境界地の管理
「雑草を敵としない」自然農は、一般的な農業の真逆の考えであるため、土地の境界地は特に注意が必要です。道路近くや隣接する畑ぎわなど、実は作物を植えていた畑も「草ぼうぼうだから草刈りしておいてやったよ」というのはよく聞く話です。直接会話できる関係であればいいのですが、草を生やしていることが理由で会話もできない場合もあります。借りた土地であれば尚のこと配慮が必要で、貸してくださった地主さんのためにも、耕作放棄地と間違われないよう定期的な手入れをします。

つくし農園の土地は、非常に多くの地主さんの土地と接しているため、また地主さんが不明の土地とも接しており、毎年いろいろな気づきと工夫の繰り返しです。

この日は全体作業として、隣接する畑との境界地に垣根がわりの枝を積み上げる作業を行いました。
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写真の電柱より右側の畑の地主さんは、大型のトラクターで作業されており、つくしプレーヤーさんの田んぼと畑をつなぐ通路や森側の土地まで広く耕されることが多々ありました。そのため、かなり広めに境界地の幅を取った上で、木の枝を垣根のように重ね、つくし農園としては左側の森の中に新たな通路を作り、境界地を通らないようにしました。

このような変更を行って一年が経過し、ひとまず状態は良好なので、朽ちてきた丸太の上に、新しく枝を重ねました。ちょうど別の場所の境界地で伸び放題となっていた木々の大規模な剪定をしたところだったので、それを運ぶことに。
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このエリアの向こう側の地主さんは最近やっと判明。葛の繁茂が及ぶのを心配されているとのことで、畑をここまで広げて境界地の草管理をしやすくする予定です。
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みなさんと枝をどんどん運んでいきます。
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垣根作りは終了!葉のついているうちは高さがありますが、枯れると程良いボリュームの垣根になります。
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同じく境界地の対策として、お隣の芝畑に関しては除草剤のお裾分けをご厚意でもいただくことのないよう、ここ数年は花壇作戦を続けています。OGのOさんにいただいた花ニラが、可憐な花を咲かせてくれました♪
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●田んぼの苗代準備2
午後の田んぼ実習では、前回に引き続き苗代準備を行いました。前回の記事では書き損ねた部分があったため、補足します。
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前回すでに全体を地ぎわから草刈りしているため、その続きから。
土地の高低を考えて周囲を掘り、苗代に土をのせ、スコップでほぐします。
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子どもたちも一緒にやってみました。水分が多く、力のいる作業でした。
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ぐるりと周囲を掘ってあります。苗代の中央には通路を用意しました。これで夏の苗取り作業がぐっと楽になります。通路は高くしないだけで、深くは掘りません。
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ここからが前回の記事で書きそびれた部分です。
苗代の土が水分を含み、ごろごろと大きな塊が多いままだと、お米がそこに落ちてうまく発芽しないため、もっと均一に表面をならすための作業をします。

まず、田んぼの近くの乾いた陸地から、土を掘り出します。
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草の種が入らない地中の土を取るのが理想です。
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一輪車の上でよくほぐし、石や大きな草の根などを取り除いていきます。
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ほぐれた土を、田んぼの苗代にスコップで均一にかけます。
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大きな塊があればどんどん手でほぐして細かくします。このとき、苗代の縁も手で押し固めるように整えます。垂直をイメージして作業して、結果として台形になるとのこと。
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だいたい細かくなった土が均等に広がっています。
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毎年誰かが「チョコレートケーキみたい」と言う眺め。
美味しそうなチョコケーキが2つ・・・。
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あとは全体に藁を敷き詰めます。春の種まきの際に取り除きやすいよう、ランダムではなく、並べるように広げていきます。
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木の枝などで藁を押さえ、風で飛ばないようにしたあと、補いとしてわずかに米ぬかをふりかけます。
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これで苗代の準備は終了です。

この日は子ども達だけでなく、飼い犬2匹も集まって、いつも以上に賑やかでしたね。参加されたみなさま、お疲れ様でした!

次回の共同作業日は3月12日(土)、終了後には懇親会があります♪みなさまのご参加をお待ちしております。


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posted by 雑草屋 at 13:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 農園風景(16年度) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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