秋分も過ぎ、驚くほど朝晩が涼しくなりました。もはや夏服×タオルケット1枚などで寝ることはできなくなり、掛け布団の登場を懐かしく喜ぶとともに、夏の頃の蒸し暑さを寂しく思い出しています。
先日の3連休の月曜日、つくし農園に見学者がいらっしゃいました。ヨーロッパ在住のTさんは、都会暮らしから一転して南欧での田舎暮らしを始められ、ご近所の有機農家さんとの交流されながら、現地での自然農をはじめられようとしている方。本なども参考にされながら少しずつスタートされているようですが、この度の帰国の際に実際に自然農の現場を見てみたい、ということで都心から1時間ほどでアクセスできる「つくし農園」にご見学に来られました。
当日は、ご友人ご家族も含めて大人3名、子供3名で賑やかにご来園。日中の陽射しはまだまだ暑いときもある中、まずはテント(屋根なし)の下で自然農やつくし農園のことをお話し、実際に、畑と田んぼを見て歩きました。皆さんすでに自然農についてある程度ご存知のせいか、分かりにくい畝の間や草の中を見事に掻き分けてついてきます。畑への関心も高く、「この草はあえて残しているのか?」「今のこのタイミングでは草刈りすべきなのか?」など、質問が次々に飛び出しました。水田に移動すると、さらに話が弾みます。どうやら現地でも田んぼ造りから初められての水田に挑戦してみたいとのことで、土地の向き不向きや水の管理、稲の種類から陸稲の育て方など、雑草屋がお答えできることにも限りはありましたが、こちらも改めて勉強になるような内容まで話が膨らみました。
田畑の見学を終えた後もまたテントに戻り、自然農トークに花が咲きました。子供たちもみなそれぞれに草木に関心を持ったり、お絵かき(むしろアート)に精を出したりと、思い思いに過ごしておりました。子供から、「まだ話するの?」という声に気づくほど大人たちの話がついつい熱くなりすぎて、予定していた実作業の時間がなくなってしまいました(笑)。 田畑のあとは農園を移動し、雑草屋の家に保管している米の脱穀や精製に使用する農具を見学へ。つくし農園では米を収穫して干した後、足踏み脱穀機と唐箕を使用して脱穀します。籾摺り機はモーター動力の籾摺り精米機を使用していますが、なるべく人力での作業を心がけています。さすがに日本のこうした農具はヨーロッパで使用するのは難しいかもしれませんが、Tさんからは「これって設計図があれば自分で作れちゃいますかね?」と頼もしい質問も飛び出しました。
農具見学ついでに、山羊の粟子とも対面してもらい、庭のゴーヤなど、自然農ガーデンもちょっとだけ見ていただいて解散となりました。お忙しいなかご見学にお越しいただきありがとうございました。自然農の種が日本にも、世界にも、少しずつ広がり増えていくことを楽しみにしています。