畑の実習では、まずは畑の観察。種から育てたキュウリがようやく蔓を伸ばし始めている様子や、日照りに生き残った里芋の小さな葉やサツマイモの蔓をかろうじて見つけました。この時期の陽射しは本当に強く、雑草のひと刈りひと刈りで畝の乾き方に影響します。刈りすぎて大地を乾かすことなく、伸ばしすぎて作物を覆い隠すことなく、程よい草の管理が真夏の自然農のポイントのひとつとなります。 また秋野菜の作付けもいよいよ始まりました。必要以上に肥料分を与えない自然農では生育期間が十分ではなく、育ちにくいとされる秋ジャガ芋も、少しずつ豊かになってきた畝に今年は植えてみます。また、真夏の日照りでの発芽が心配ではありますが、大根の種まきも実習いたしました。昨年大根を見事に育てたHさんが欠席されていたのでつくし農園での大根成功の秘訣を聞くことが出来なかったのが残念ですが、今年は雑草屋でも豊作を目指します。
8月は日中の作業が危険な時間となるため、田んぼの実習も午前に行いました。田んぼでは田植え後の苗が着実に分蘖(ぶんけつ:稲の茎が分かれて茎の数をどんどん増やしていくこと)を進めています。梅雨の雨に恵まれなかった田んぼにはほとんど水がありませんが、土の表面が雑草に覆われているために過度に乾燥してひび割れるようなことはなく、土を手にとって握るとスポンジをしぼったようにじんわり水が残っています。とはいえ、今年の水不足は大問題。梅雨の最中からも含めてほとんど満水になることがなかった田んぼは昨年までとは大きく雑草の生える様子が変わり、草刈りが例年以上にがんばらないと雑草に覆われてしまう勢いです。また、区画の一部には稲の株元がざっくりと切り込まれて稲が消えてしまうエリアが出現。例年には小規模だった、ザリガニの被害が目立っています。おそらく予想では水がほとんどたまらない今年の水田でドジョウやタニシなどの餌が激減したために、ザリガニの対象に稲が選ばれたのではないだろうかと考えています。草刈りを程よく行っている区画では、鳥に見つかりたくないためかザリガニの被害が目立たず、草刈りが追いついていないような区画で特にこの被害が多くなっているようです。さあ、今年のつくし農園の米の収量にどれほど影響が現れるのか今からとても心配な事象が発生してしまいました。
実習の後も気温はさらに上がりましたが、出席したプレーヤーの皆さんたちは元気に自由作業。熱中症対策は各自しっかりされていますが、油断は禁物、数十分に一度は日陰に入って休みながらも、汗にまみれながらも作業をされていました。共同作業は、全員で隣接する民家の生垣の刈り込み作業を行いました。区画の一部は民家の裏手の畑を借りており、一年の間に生垣の木はどんどん大きくなってきます。そのままにしておくと通路の歩行がままならないほどに繁茂するので、定期的に通路に覆いかぶさろうとする枝葉を落としていく必要があります。皆様ご協力ありがとうございました。



さて、昼休みの後は午後の「意見交換会」。13時〜16時まで、簡易テントの下、少人数でゆっくりと「自然農」について想いを巡らせました。基本的にはフリートークですが、全体的な進行を雑草屋が行い、沈黙や相槌などの制約にとらわれないルールを決め、「話す・聴く・気づきのワークショップ」の要素を取り入れながら行いました。 会話の内容をすべて書き起こすことはできませんが、「なぜ自然農を選んでいるのか」、「土が豊かになるとはどういうことか」、「家庭ででる卵の殻を畝に戻すことは自然農的か」「鳥や兎など獣害との付き合い方は」などなど、参加された方々それぞれに意見を重ねることができました。16時も過ぎる頃にはテントの下を涼しい風が抜けるようになって意見交換会も終了。三々五々の解散となりました。 真夏の茹だるような午後、時おりの風に助けられての3時間は、時間以上に密度の濃い交流会になったように思います。暑い中、出席された皆様ありがとうございました。