昨年2月からの営みが、この日で区切り。田畑は眠っているようでもあり、待ち忍んでいるようでもあり、しっかりと冬の寒さに耐えながら、命豊かに静まっているような、そんな一日となりました。
1月の田畑では、主に春への準備作業を行いました。
まずは土の様子を観察。連日の霜と霜柱も影響して、表土から3〜5cmほどの土は午前10時を過ぎても凍ってしまっています。自然農の土は表面に草や亡骸で覆われているといえども、やはり冷える部分は冷えます。スコップを入れて表土を剥がすと、すぐに凍っていない土に辿り着きますが、冬野菜・春野菜はこの層まで根を生やしているから冬を越えられるでしょうか。
草刈り、種播き作業のないこの季節は、苗床や畝の修復にもってこいの時期です。今回は、4月に種を降ろす米作りの為の畑苗代の準備と、畦の修復を実習いたしました。
畑苗代は、田んぼでの水苗代とは別に作る予定の為、畑の秋場所を利用して準備しました。草を除け、表土をずらし、軽く鍬を入れて、目立つ多年草の根を取り除きます。根を除いたら土を均して、土を乱した補いとして米糠を振り撒き、覆いとして稲藁を被せたら、風で散らないように重しの枝木などを乗せて完了です。米糠が土になじむまで3ヶ月ほどかかりますので、ちょうど種降ろしの時期に間に合う頃となります。
1年使用して土が崩れたりなどした畝も、この時期に修復するのも良いでしょう。作付が少ないこの季節は、土を多少動かしても春に備えることができます。苗床(苗代)と同様に草と土を除け、溝の土を削って畝に乗せ、必要に応じて糠などを補っても良いでしょうし、以前から刈り草などを溝に敷いておいた場合などは、腐葉土ごと畝に上げてしまえば補いは要らないかもしれません。実習では、糠を落として草を被覆するやり方と、刈り草と土を軽く混ぜてなじませるやり方を、分けて行いました。こうした冬の間の準備作業で、自然と春の作スタートが楽しみになってくるのもまた、喜びの一つとも言えます。
お昼休みの前には、全員作業も行いました。芝畑に面するお隣さんとの境界に、新たに竹垣を設ける予定なのですが、集合日ではその前段階として竹の杭を境界に打ち込みました。事前に切り出していた竹材を等間隔に差していきます。間隔と、高さと、角度を揃えて、数チームに分かれて木槌で竹を打ちつけていきます。一人でやると時間がかかる作業も、プレーヤー全員でやるとあっという間。今後、これから竿を渡して麻布を張っていくのですが、集合日の時間を上手に使って共同作業で進めていけたらと思っております。
最後の作業は物置小屋の整理&掃除です。一昨年の秋に設置してから大きな整頓作業をすることなく農具や備品が溜まってきていた小屋ですが、皆さんの協力を得て今年は大掃除です。卒業された方や、持ち主不明の農具や長靴、ボロボロの軍手や麦藁帽子、色々残ってるもんです(笑)。農具、長靴については、名前のあるものは小屋に戻し、名前のないものは小松宅へ一時保管、ボロボロのものは撤去、という状態でキープしていますので、心当たりのある方はご相談の上、それぞれ対応しますのでご連絡くださいませ。
午後は田んぼ作業。田んぼはまずは片付け作業から。昨年からの稲架とネットがまだ残ってますので、来期が始まる前に撤収です。一部でまだ脱穀し終えていない方の稲も残っておりましたが、鳥避けネットもむなしく、スズメの大襲撃を受けて干したまま全て餌になってしまっていました。こればかりは、スズメの食い意地に降参するしかないようでした。とても残念・・・でしたけどね(涙)。鳥避けネットは50m×50mの大容量で、来期もしっかり再利用しますので丁寧に外し、慎重にまとめて束ねておきます。この作業をいいかげんにしてしまうと次回の使用が非常に面倒くさくなるのです。大事に、丁寧に、次を考えて、このあたりが農具を使う肝要どころなのです。上手く外せたら次は稲架をたたみます。結びに使用した稲藁ロープも、再利用。4年間使用した稲木の竹材もチラホラとガタが出てきた様子で、来期の稲木は若干新調が必要かもしれません。こんな時もまた、心は既に次の収穫に向かってしまうのですな(単に皮算用が好きなだけか)。
午前に畑で準備した苗代を、田んぼの中にも用意しました。田んぼの中での苗代を水苗代と呼びますが(地域差あり)、水苗代を冬に準備するのは初めてですので、畑と同様の手順を取りました。つくし農園の水田は天然の湿地田を利用しての稲作りですので、苗代が水没しない程度に盛り土をして行いました。各区画それぞれで水位(標高)が異なりますので、プレーヤーそれぞれの適所に準備するのがいいと思います。
なにはともあれ、今期一年間、皆様ありがとうございました。
田畑を継続される方、卒業される方、つくし農園での自然農の時間をご一緒できて本当に感謝しております。2月からのひと区切りはあくまでも人間側の都合であって、自然は何一つ区切りなく絶えず命が巡っています。田畑の営みに逆らわず、行く川のように過ごして生きたいものではありますが、そうはいってもひと区切りですね(笑)。また二月の集合日でお会いしましょう〜♪
※今回もguさんに写真のご協力をいただきました。
いつもありがとうございます。
いつもありがとうございます。