2009年04月30日

4月に霜が降りて

つくばにどうやらが降りたようです。雑草屋的暦の解釈では、立夏の頃を迎えるまで(というよりも季節は混じりながら移り変わっていきますので)冬の命はまだ果てておらずに時々こうして思いもかけないぶり返しに襲われる事があります。まさかこの時期に、とも思われるかもしれませんが、日本に遅霜、晩霜という言葉が根付いているとおり、決してさほど意外なことではありません。今回は大分遅いほうではありましたが、「起こり得る」ことです。みなさんも、毎年ご注意ください。そしてこの後も、霜が降りることもなくはないですので頭の片隅にどうぞご留意を。

とはいうものの霜への対策というものも考えてみましょう。過去から人の浅知恵は自然に対抗しようと色々こうじて参りました。最も現代的な対策としては、ビニルマルチやプラキャップ、不織布などといった、温室・被覆効果をもつ化学製品で作物を守る手法でしょう。これは畝ごと、もしくは株ごとの小さなビニールハウスをイメージしていただければお分かりでしょうか。大半の霜への心配はこれで大体解消です。ビニルマルチなど以外にも、紙マルチや布マルチなど自然派素材といわれるものもあります。いわゆる農業資材を利用した対策方法です。また調べたわけではありませんが、今の世の中ですから「対霜性品種」などの改良品種の夏野菜もあるかもしれませんね。


さて、私が考える自然農的な遅霜対策をいくつか挙げてみます。


1、雑草被覆
 植えた種や苗の周囲に適度な雑草や別の作物が生えていた箇所は、大まかに言って霜の影響が少ないようです。ついつい雑草対策にばかり気をとられてしまい、土を出してしまっているところは、冷気をさえぎるものがなく無抵抗に霜にあってしまったようにも見えます。とはいえ雑草は、単に物体として障壁のように霜を防いでくれるだけなのではないと思っています。作物の隣に生きる雑草は、それそのものが命であり、お隣さんです。命というのは生命活動そのものですから、少なからずエネルギー活動を行っています。すなわち植物といえども体温があるはず(科学的な根拠はありません)。体温があるものが多く畑に存在していれば、その土はほんのりと温かいはず。雑草や虫や微生物が多く生きる畑であればあるほど、それぞれがおしくらまんじゅうのように互いに寄り添って冷たい霜に耐えられるのではないでしょうか。以上、経験的及び推論的考察。


2、ずらし蒔き
 各野菜の種蒔きを、いわゆる「蒔き時」に前後させて行います。ジャガイモであれば、2月末、3月初旬、3月下旬、4月初旬など、トマトであれば3月下旬、4月上旬、4月下旬、5月上旬などなど。早く育成したものは、それだけ収穫も早まり種類によっては収量も上がったりするものもありますが、その分こうした霜にあった際のダメージが大きくなります。遅めに育成すると、霜に会うリスクやダメージは減りますが、収穫時期が少し遅くなります。
 ところでプレーヤーさんの報告にもありますように、霜が降りて生育への影響が大きいものは、総じて「夏野菜」と言われるものです。夏の野菜なのですから、霜などへの耐性は弱いわけです。いうなれば霜に当たって枯れてしまうのは当然ともいえます。その代わり、葉物野菜や越冬野菜は、当然霜への耐性は強いのです。こうした観点などもとりいれて、ご自身の区画の作付け計画を立ててみるもの大切かもしれません。

3、気にしない
 上にも書きましたが、自然のなかでは遅霜などは、ままあること(必ず起こる事でもありませんが、予想外の出来事というほどのことでもありません)です。ままあることに、あまり気をとられるのも空しいですよね。「遅霜」・「被害」と言葉で書いてしまうと「うわあああ、大変だああ」と感じてしまいますが「気まぐれ」・「手荒い歓迎」くらいに思ってみると、「まいったなあ」あたりで受け入れるしかなくなってきます。霜にやられなくても虫にやられてたのかもしれないし、あんまり霜ばかりを憎んでも仕方ないもんです。

4、意味を考えてみる
 ただの気象現象かもしれない遅霜ですが、その意味を考えてみるのも面白いかもしれません。暖かくなってきた季節に動物も植物もそそのかされて動き始めた頃に訪れる冬の名残。それは折々にそれぞれの命への影響を与えてきたはずです。陽気にあてられて発芽した夏草が霜枯れしたり、虫たちが死んでいったりなど。しかし命は(種族として)その程度では絶えることはなく、まだ眠っている虫にとって生きやすい世界になっていたり、早すぎる成長をしていた草に、(種族として)適度な試練を与えて自身の発芽や敵期を(遺伝情報として)調整させる機能もあるかもしれません。「自然界は勝手にして絶妙と先日お会いした川口由一さんもそうおっしゃっていました(笑)。

5、楽しむ
 霜枯れして駄目になった場所に、なんともう一回種蒔きを経験できますよー♪1年に何度も経験できるわけでもない季節野菜の種蒔き作業が、お得な事にもう一度体験できます。ワクワクするなあ。なので、一回の種蒔きの際に種を全部を使い切らずにちょっと残しておくのも、百姓の知恵かもしれません。

6、頑張る
 なんでも、やってやれないことはありません。天気予報や前日の空気の冷えをみて降霜の不安がある早朝に畑に出て、ジョウロなどで水をかけて霜を溶かすという方法もあります。かけた水が凍るほど冷えるわけではありませんので、散水による霜対策は農家さんでもよくされる対策のようです。(実際雑草屋でも、右往左往したこともありましたね。)いざとなればこれもありです。
 

あ、今朝は霜は降りてないや。ではでは。


追記 ※個人Blogに芋の写真を載せました。
posted by 雑草屋 at 06:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然農について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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