さて田んぼ、一ヶ月前に刈った稲はゆっくりと十分に干されて、ひと粒かじるとガリリと香ばしい音が響いてきます。つくし農園では、脱穀作業を「足踏み脱穀」、「唐箕選別」、「籾摺り精米」の行程で行いました。それぞれ専用の農機具を利用しています。脱穀機と唐箕は手動の農具、籾摺り精米機は電気を動力とした機械です。簡単に説明すれば、稲束から籾(殻のついたお米)をこそぎ落とす行程が「脱穀」、脱穀した籾に混ざってしまう藁屑や未熟米、雑草などを風車の仕組みで重量選別する行程が「唐箕選別(単に唐箕とも言います)」、籾米から籾を剥がして玄米(または精米)にして食べられる状態にする行程が「籾摺り」となります。半年以上かけて育ててきたお米を、ようやくこの作業を経て、お口に届くわけですね。
実習は、脱穀・唐箕の作業をおこなうスペース作りから始まりました。セイタカアワダチソウが茂る空き地をプレーヤーが自ら草刈りして、必要な空間を開きます。何事も用意が整えられた施設ではなく自分で作り出す、というのも自然農に近しい感覚だと思っています(笑)。スペースを作ってシートとゴザを敷き、ようやく脱穀機と唐箕を並べます。一つ一つが昔ながらの木製や金属製なので一人で運ぶのは一苦労、皆で力をあわせて運びました。
脱穀機も唐箕も、古人が知恵を蓄積してきた結晶が詰まってます。シンプルでありながら部分のそれぞれに当然の意味があるので見ているだけでも楽しく、また実際に作業することで、その奥深さ、大変さ、気持ちよさが楽しめます。始めて体験するプレーヤー、3年目の手馴れたプレーヤー、皆さんそれぞれに一年に一度の収穫後の貴重な機会を存分に楽しまれたようです。
午後には籾摺り精米機の実習を行いました。電気の都合で、脱穀後の籾を畑まで運んで作業しました。畑のお隣のお宅に電気をお借りしての機械作業です。こうした所では現代テクノロジーの恩恵に浴さなければならないのがちょっと残念ですが、そんな中いつも電源を取らせていただいているお隣の方には感謝しすぎる事はありません。機械の性質上、純粋な玄米にはできないつくし農園の籾摺り機ですので、玄米菜食の方からは少し残念がる声もあったりしましたが(笑)、その分発生した米糠を食べてしっかり補ってくださいませ。
畑では、空豆やエンドウ豆の風除けと、貯蔵穴の実習を行いました。冬の筑波山からの北風を避けるために地元の農家さんは、稲藁などをうまく利用して防風しています。ご近所の畑を見様見真似したやり方は、何にも増して良い教科書になりますね。また、サツマイモや里芋など、通常の寒さに晒しては保管が難しい根菜などの貯蔵のために、畑に貯蔵穴を掘って冬の貯蔵庫も実習で作ってみました。掘り穴に入れたイモに、稲藁、籾殻、土などを順に被せて雨避かけて完成。つくし農園では初の試み、はたしてこの地でうまくいくかどうか、雑草屋もプレーヤーも心待ちにしてみたいと思います。
集合日に参加されなかったプレーヤーの皆さんは、年末中は順を追って週末に脱穀作業ができるように予定してますのでご連絡ください。また、自然農米の感想などもお待ちしております♪
※いつもながらyamaさんが、写真の取れない雑草屋に代わって、詳細かつ繊細な作業の様子をまとめてくれています。ありがとうございま〜す!
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