真冬の自然農の畑は実に殺風景。つくし農園ではまだまだなかなか大ぶりの冬野菜が育ってくれません。9月に播種した葉物野菜は軒並み小ぶりで止まってしまっています。せっかく育ち始めたところで、寒さにあってこれ以上大きくなりにくいのですね。ここ数年の反省を教訓に、しばらくは冬野菜は8月が播き時かもしれない、とプレーヤーさんたちと共に今年の再挑戦を誓いました。
さて、ソラマメや大根など冬越しを待つ野菜の一部に対し、寒さ対策として籾殻を利用してみました。このところ続く強烈な冷え込みで、大根の上部が凍ってしまう様子が見らる畑ですが、そこで籾摺り時に出たお米の籾殻を大根の上部にかけて寒さを防ぐことに。実習畑で年明け前から実施してみたのを確認してみると、どうやら今のところ効果ありといった様子です。ソラマメの苗にも防寒で籾殻を振りまいておきました。こちらも今年の冬を乗り越えることができるか今から楽しみです。
自然農の畑に立つと、目に付くのは野菜たちの成育だけではありません。秋のどのタイミングで草刈りや手入れをしたかで、冬から春にかけての冬草の様子に大きく違いがでます。早めに草刈りしておいた畝には晩秋からたくさんの日があたり、カラスノエンドウなどの雑草が畝を覆っています。一方草刈りが遅くなったり、草刈りしていない畝は、背の高い枯れ草の陰で冬草が芽吹かずに雑草がほとんど育っていません。この時期での冬草雑草の生育の差は、早春の畝に緑が包まれるか否かに繋がってきます。雑草を敵とする他の農法ではほとんど考えられることのない視点かもしれないですが、3月、ジャガイモの種芋を、冬草の茂みをかき分けながら植えつけていくのと、枯れ草と土しかない畝に植えつけていくのは、温もりというか暖かさというか雰囲気がまるで異なります。個人的には、草に包まれている畑は、心が安らいでしまうのですが皆さんはいかがでしょうか。
実習の後の共同作業では、1年間利用した農具小屋の清掃を行いました。荷物を一度全部出して、鍬もスコップも長靴も棚もいっさいがっさいを小屋から出し、茅(チガヤ)を束ねた簡易箒で土ぼこりを掃き落としました。おかげさまですっかりキレイになりましたね!
共同作業のあとは、自由時間。雑草屋は見学者にお手伝いいただいて、一昨年から積み上げていた枯葉堆肥の移動を行いました。堆肥場では、昨年の冬に積み上げた枯葉堆肥が1年たって完成し、今期はこれから作る予定です。そのためには堆肥場に出来上がった昨年分を隣に移さなければなりません。そこで隣にまだ残っている一昨年の分をさらに移動してスペースを確保するわけです。畑を肥やすために皆で作った枯葉堆肥、自由に使ってくださいとお伝えしていてもあまり利用されないプレーヤーの皆さんの姿勢、なんとも「自然農」的で面白いですね。
午後の田んぼの実習では、今年の振り返りと、資材の撤去を行いました。順調だった苗作りに始まり(苦労されたプレーヤーさんもいましたが)、空梅雨、ザリガニ被害、スズメの猛襲と三重苦に見舞われて散々だった今期の米作りを思い出し、改めて2014年への強い思いへとつながったようです。作業では、取り除けネットの撤収と、稲木の解体および運搬を行いました。再利用できるものは丁寧に畳んでまた来期へ、損傷が激しいものは残念ながら処分することにしました。
また午後の共同作業としては、農園および農園周辺の近隣道路のゴミ拾い清掃も行いました。自分たちのフィールドと、利用している周辺住民への感謝の気持ちを込めて、どこからか迷い込んだ(捨てられた?)燃えるゴミ空き缶空き瓶農業資材もろもろを、ゴミ袋4袋分集めて回りました。こうしたゴミ袋の中の様々なゴミを眺めるにつれ、「持続可能な社会」、「自然環境」、「大量消費社会」などへの想いと、「自然農」の存在意義を改めて強く感じた集合日でした。
参加された皆さん、見学に来られた皆さん、どうもありがとうございました。
また2月、2014年度のつくし農園でお会いできることを楽しみにしております。