2013年12月19日

12月集合日の様子


このところ、薄氷が張るような寒さがつくばにも訪れています。先日の集合日に来られた皆さまお疲れ様でした。集合日の朝も冷え込みましたが、ほんわかとした陽射しの中、日中は焼き芋などもしながら気持ちだけでも暖かく過ごすことができました。

午前中は畑の実習。毎朝が降りるような季節となり、露地栽培を基本としているつくし農園では種まきシーズンは終わりですが、畑でできる作業はいろいろあります。秋に種をまいたソラマメやエンドウマメの苗への風除けをこしらえたり、霜柱で根が上がってしまわないように麦踏みをして土を抑えたり。また、周囲の枯れた植物を集めての、枯れ草堆肥作りなどの説明もいたしました。

畑の外では、大豆の脱穀作業も行いました。カラカラに乾燥させた大豆の莢は、軽くたたくだけで弾けて豆がこぼれ落ちてきます。脱穀方法は様々ですが、今回の集合日では、「くるり棒(別名:唐竿)」を使用しました。くるり棒とは、竹竿の先に回転する平たい棒を取り付けた年代ものの農具。大豆の枝を敷いたところを、くるり棒の先端を上手に回転させて叩くと、面白いように豆が外れていきます。ただ、回し方にはなかなかコツが必要で、まずは皆さん稲藁の上で練習しました。順調に練習も進みましたが、残念ながら本番前にくるり棒が破損してしまい、今回は終了となりました。修理ができたら、再度挑戦してみましょう。古い道具を上手に使うのは慣れるまでが難しいですね。

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Mさんお見事 クルリ!


 
昼食前には、畑の一区画で焼き芋も行いました。しっかりと燠火(おきび)を作ってから、掘りたての菊芋とYさんからお裾分けいただいたサツマイモをアルミホイルに包み、じっくりと焼きました。寒さに肩をすくめながら食べるホカホカの焼き芋はおいしかったですね!


午後は田んぼ作業。まずは水の張る田んぼに集合して、脱穀が済んで藁だけになった稲束を、1年間の感謝と共に区画へ振りまきました。文字にすると、たかが稲藁を田んぼに戻すだけですが、振りまき方にも思いをのせるのが自然農。丁寧に稲株の列に沿って並べて置くのもよし、ランダムかつ適度に散らしながら花咲か爺さんのごとく投げ撒くのもよし。1年かけて育ってくれた稲の命をまた来年の田んぼの命へつないでもらえるように、戻していきます。

稲藁を戻した田んぼから離れ、農具小屋の前に戻った後は、米作りのクライマックスともいえる「籾摺り・精米」作業を行いました。ほとんど全ての工程を人力で行っているつくし農園での農作業ですが、この籾を摺る作業は、電力に頼ることになります。とはいえ最新式の農機具とは程遠い、昔から使われている機械を使っています。この「循環式籾摺り精米機」で、収穫して脱穀した稲籾の殻を取り除き、ようやく食べるところまでたどり着くわけです。

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今年の米作りは、あるプレーヤーさんの言葉をお借りするならば「三重苦」に見舞われました。夏の水不足、ザリガニの被害、そしてスズメの大襲来。昨年までの収穫の喜びが嘘のように、散々な結果となりました。人によっては一粒の米も手元に残らなかったという、信じられない状況です。それでもなんとか収穫を手にしたプレーヤーさんの貴重なお米を、やっとのことで、精米まで。悲しいような、嬉しいような、なんとも複雑な今年の籾摺り作業となりました。なにはともあれ、完成です!!!

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ちなみに、籾摺りから出る籾殻や若干の米ぬかは、もちろん田畑に帰して来年の命の営みに繋げますよ。


日も暮れて、体が芯まで冷えた後は、毎年恒例の懇親会(忘年会)です。今年は少数精鋭の7名(プラス子供1人)での開催となりましたが、おいしい料理とアルコールに包まれて、自然農談義に花が咲きました。それにしても、作業の後にみんなで飲むビールはなんでこんなに美味しいんでしょうね(笑)。

今年度の一巡りも、あと来年の1月を残すところとなりました。暦はいったん新年を迎えますが、また来年の集合日で皆さんにお会いできることを楽しみにしております。
posted by 雑草屋 at 02:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 農園風景(13年度) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする